受託試験
超臨界水・亜臨界水・水熱・ソルボサーマルを利用した酸化物・複合酸化物などのナノ粒子合成、有機無機ハイブリットナノ粒子といった表面修飾を行うことができます。
超臨界CO2を利用した有効成分の抽出・乾燥試験やドライスノウ装置を用いた精密部品などの無水洗浄試験が行えます。
もちろん可能です。また委託試験も行っております。
可能です。弊社ではXRDなどの分析装置を取り揃えております。
原料の濃度にもよりますが、MOMI超MINIで2〜3g程度/時間 可能です。
まずは当社にご連絡下さい。当社の担当者と打ち合わせをさせていただきます。
亜臨界水・超臨界水の試験で、この条件が良いという一般則は存在しないため、実際に様々な条件を試す必要があります。振ることができる主なパラメーターは温度、圧力、反応液の種別、流量の絶対値、流量の比、フロー種別など数が多く、1日の試験で網羅することは不可能です。弊社がお薦めしているのは、以下のものです。
・圧力については、今後導入を想定している装置の最大圧力に固定するのが一般的です(亜臨界水の蒸気圧条件でのバッチ試験を除く)。
・流量比については、高温水(超臨界、亜臨界)と常温原料の混合後の温度が目標値に到達可能となるように決定します。混合後に380℃となる場合は、原料は超臨界水の10~30%量とすることが多いです。
・高温水流量は、ポンプ能力ではなくヒーター能力で必然的に決まります。10ml/min以上の超臨界水を利用したい場合は、増設ヒーターを使用します。
・溶液の種別については、イオン種やpHを振るのが良いですが、SUS316配管の場合はpHが3~11の範囲になります。また塩化物イオンはSUSを強く腐食しますので、酸としては硝酸系か酢酸系を用います。過酷条件においてはインコネルライニングのチタン配管を用いますが、コストと納期がかかるので推奨していません。
・原料としては水溶液の他に、スラリーを用いることもできます。例えば酸化物粒子を合成する場合、水溶液からよりも、水酸化物スラリーの方が配管閉塞を防止する点では有効です。粒子合成の最大の課題は配管閉塞ですので、スラリーは重要な選択肢と考えられます。
・原料としてバイオマススラリーを用いる場合、粒径が大きく極めて閉塞しやすいのでなるべく小粒径で、濃度を低くすることが重要です。
・反応に最も多く影響を与えるのは温度です。50℃変わると、まったく違った結果になることも多く、振る条件としては優先度が高くなります。全く未知の反応を調べる場合、時間の許す限り50℃刻みで温度を上げていくのが良いと考えられます。
・フロー種別は、急速昇温と緩速昇温、そしてバッチ試験があります。急速昇温は常温原料液に高温水を混合し瞬時に昇温するものです。緩速昇温は原料のみを流し炉内で加熱する方法で、反応管コイルを要します。反応時間を十分長くしたい場合は、流通試験ではなくバッチ試験となります。
・異なる試験条件同士の間には、精製水を一定時間流しますが、これで前の条件で生成した粒子が完全に洗い流されることはありません。前の条件が後ろの条件に必ずコンタミすることをあらかじめ想定して、実験を組み立てることをお勧めします。
物質の溶解性は二酸化炭素の温度と密度が関係します。密度が低いと気体的性質となり、溶解度は低下します。つまり、圧力は高い方が良いことになります。ただし、大型の装置では、16MPaまでとそれ以上で、使用する配管等が異なりコストに大きく影響しますので、上限の16MPaで試験することもあります (試験機自体の耐圧性はそれ以上あります)。
温度については複雑です。通常、「密度」一定なら温度上昇とともに溶解度は上がります。一方「圧力」一定の場合、温度が上がると、密度が下がり、溶解度が下がることがあります。典型的な例を図で示します。多くの場合、圧力上昇による溶解度の増加の傾きが、高温で大きくなります。つまりどこかの圧力(10~30MPa)で、高温での溶解度が低温での溶解度を追い越す特性を示します。その圧力が16MPa付近の物質はよく見られます。
また、相溶に近いほど二酸化炭素とよく馴染む場合は、ある密度以上で急激に溶解度が上がります。すると臨界圧力より少し高い圧力程度で良いこともあります(その場合、超臨界ではなく液体二酸化炭素も選択肢に入ります)。
ただし、溶解度の他に拡散の効果も考える必要があります。生物材料の場合、材料をすりつぶすことが多いですが、それは物質の拡散を速くするためです。溶解度はあくまで平衡状態を表しますが、拡散は溶解の速度すなわち抽出時間に関係します。このため、拡散を速くするには温度を上げる方が有利に働きます。
弊社の試験例では、高温の方が良いケースと、低温の方が良いケースが混在しています。これは物質の化学的特性と、素材の構造的特性が複雑に絡み合った結果であると言えます。
上記の理由により、導入装置を16MPa以上にするか否か判断材料にする場合は別ですが、圧力を想定装置の最大に固定して、温度・サンプル種別・エントレーナーの有無を振ることを推奨しています。