G水素(グリーン水素)製造装置 廃アルミ廃シリコンから水素を製造する装置
G水素の「G」とは「グリーン」を指し、化石燃料を使用しない環境調和型のシステムです。弊社のG水素製造装置は、アルミ溶解工程で排出されるアルミドロスやその他の廃アルミニウム、および半導体ウェハー切削屑の廃シリコンといった廃棄物から、アルカリ溶液と反応させて水素を生成することができます。精製した水素は、水素吸蔵合金を用いた貯蔵、輸送、そして燃料電池等を用いて電気エネルギーを取り出すことにより、再生可能型の水素エネルギー社会の実現をもたらすため、現在、官民を挙げた研究開発が行われて
います。
G水素製造装置プロトタイプ
本装置は、廃アルミニウムや廃シリコンスラリーを原料に、連続式にアルカリ溶液と反応させて水素を製造するプロトタイプの装置です。反応時間、反応温度など原料が持つ特有の性質を把握することで、量産機へのスケールアップ化につなげる装置として最適です。運転を通して原料スラリー処理量の投入量や反応温度、圧力の変化ならびに発生する水素流量の数値を記録できますので、反応条件の最適化が可能です。
フロー
動画
設備仕様(運転実績)
吐出圧力 | 0.1MPa (運転圧力:5 kPa) |
設計温度 | 100℃ (運転温度:~60℃) |
容器容量 | 10L |
原料スラリー流量 | 200ml/min (~30wt%) |
NaOH流量 | 70ml/min (8 mol/L) |
水素ガス流量 | ~820L/Hr (NH3含む) |
上記条件での反応時間 | 約40分 (Al 18.3wt%. AlN 3.3wt%) |
原料スラリータンク | 10L(撹拌機付き) |
NaOHタンク | 4L |
洗浄水タンク | 4L |
反応液回収タンク | 20L(廃液連続排出も可) |
冷却能力 | 1100W (水温20℃) |
装置寸法 | 1500Wx850Dx2600H |
G水素発生試験装置スケルトンタイプ
本装置は、廃アルミニウムや廃シリコンスラリーを原料に、連続式にアルカリ溶液と反応させて水素を精製させる、スケルトン仕様の試験装置です。この装置は、反応挙動、反応時間、反応温度など、廃原料固有の性質の把握を目的としています。反応容器は傾きを自由に変更
できる透明容器であり、投入された原料は内蔵のスクリューにより連続的に搬送します。発生した水素は、外気と遮断したスケルトン仕様の水封槽に導かれるので、反応状態を安全に直接観察できます。流量計(オプション)を設けることで、水素の発生量も測定でき、反応条件
の最適化が可能です。
フロー
動画
反応器寸法 | 内径126mm, 長さ400mm |
スクリューピッチ | 50mm |
スクリュー回転数 | 0.15~2.65rpm |
送り速度 | 7.5~132.5mm/min |
反応時間 | 3.0~53min |
反応器材質 | PVC, SUS304 |
水封槽材質 | PVC |
電源 | AC 100V |
G水素発生試験装置バッチ処理型
本装置は、廃アルミニウムをアルカリ溶液と反応させて水素を製造する装置です。同時に発生するアンモニアガスはスクラバーにて分離しますが、低温分解にて水素に転換も可能です。本システムは廃シリコン等の廃棄物処理にも応用できます。
設備仕様(例)
処理能力 | アルミドロス100kg/batch |
発生水素量 | 37.3m3/batch 6.6ton/year 金属成分30.84%の場合 |
装置寸法 | 4600Wx15100Lx8300H |
フロー
特 徴
- 水素は精製により、燃料電池用として利用可能です。
- 苛性ソーダは晶析プロセスにて再利用可能です。
- 副生成物は、水酸化アルミニウム(晶析装置利用)、およびアルミン酸ナトリウム(ゼオライトの原材料)です。
- 発生アンモニアガスはスクラバーにて除去できますが、低温分解にて水素転換することも可能です。
- 廃アルミニウム原料中の金属アルミニウム・窒化アルミニウムは完全に分解されます。
- 副生成物の水酸化アルミニウムの純度は99%(実績値)です。
- 反応後の残渣は、水洗にて排水規制値をクリアできます。