超臨界水ってどういうもの?
水は、通常、気体、液体、固体の3つの状態が知られていますが、温度と圧力を上昇していき、374℃、22MPaにて液体と気体の境界線がなくなり、臨界点となり、この境界以上では超臨界水(Super Critical Water 略してSCW)といいます。 超臨界水では密度が液体より低く(気体よりは遥かに高く)、誘電率が低下するという現象が見られます。
水の状態図
水の分子状態のイメージ
超臨界水の特徴
ナノ粒子合成に使用される金属塩水溶液といった水 と、有機分子が溶解しやすい有機溶媒とは水と油の 関係であることを比較しても、きちんと混合して均 一な相を組むのは不可能です。そこで、超臨界水を 利用します。水の臨界点である 374℃、22MPa以 上で、水の誘電率は急激に減少し、2~10程度とな ります。これにより超臨界状態により水と油が均一 相を形成することによりナノ粒子と有機修飾剤が混 合することが容易となり、均一な有機・無機ハイブ リッドナノ粒子の合成が可能となるのです。
超臨界水ナノ粒子合成の反応機構
常温にて金属塩溶解している金属塩水溶液が超臨界水 に混合され、超臨界状態になると、金属塩は、溶解状 態から加水分解と脱水反応で、高結晶性の金属酸化物 ナノ粒子の状態で析出します。またこの状態で、油な どの修飾剤溶液と混合されると、このナノ粒子の周り に修飾剤が修飾され、有機・無機ハイブリッドナノ粒 子を得ることが可能となります。
既存の粒子への有機修飾も可能
お客様のご要望に対応できるように、配管を変更し て原料や修飾液の混合部分を変更したり、混合後の 配管長さを変更して反応時間を調整することも可能 です。還元剤を投入して金属ナノ粒子を合成するこ とも可能ですし、すべての原料、修飾剤を混合して 加熱することも可能です。よって、反応方法は多数 考えられ、お客様のニーズに応じた反応方法が可能 となります。高温高圧を使用するため、ネジ締め後 のリークチェックをきちんと確認していただけれ ば、様々な反応、混合方法を試験することが可能な 装置となっております。